波に漂う

浅~い知識で素朴な疑問や感想をツラツラと書いてます

すべて真夜中の恋人たち 川上未映子

 

普段なら手にしないジャンルの本だけど、世界で最も権威のある文学賞の一つである「全米批評家協会賞」の小説部門で最終候補作品に選ばれたとのことで読んでみました。なんでも日本人作家が最終候補となるのは初めてとのこと。

そういえば同じような理由で「コンビニ人間」も読んだな。どうも私は権威に弱いらしい。いやらしいね。

読み始めてすぐ、慣れない空間で勝手がわからずオドオドする感じに陥る。

己が、効率、メリハリ、最短距離を愛する情緒のない質ゆえ、一瞬の出来事を数行かけて描写するゆったりとした流れに、「そんな細かく説明しちゃう?」って身もだえる。

重要なのはストーリーじゃないのよ、感性に触れる美しい描写なのよと言い聞かせ読み進むうち、知らず知らずと世界観に入り込んでいくという不思議な読書体験をしました。

でもこれ、英訳して伝わるのかしらん。