波に漂う

浅~い知識で素朴な疑問や感想をツラツラと書いてます

最後の証人 / 柚月裕子

 

 

あれ、柚木裕子さんってこんな感じだったっけ?

孤狼の血」から入って「盤上の向日葵」でなんかいいじゃんって思って、何の気なしに手に取った本作。

酒酔い運転による交通事故で息子が亡くなったにもかかわらず、公権力行使で犯人が不起訴となり、冗談じゃねーぞと立ち向かう夫婦のお話です。

序盤から色々違和感ありつつ、終盤の真相を詳らかにするくだりは、そんな証拠のない憶測だけで法廷の雰囲気ガラッと変わるもんか?ほとんど「多分こう」って内容を、検事の熱弁だけでそこにいる皆がそれを真実と受け入れるのは短絡過ぎね?と冷えていく私の胸。

真相には確かにちょっとしたひねりがあるけど、そのひねり、本作発表より前のドラマで見ましたよ。状況は違うけど、要は正しく裁かれなかった犯人を正しく裁こうとする手段の発想が一緒。

前述の2作に比べていささかお粗末な印象で、ウィキペディアで調べちゃったら、これってシリーズものなんですね。ドラマ化までされてるじゃん。上川隆也じゃん。

さらに2作どころじゃないよ。この作者、結構読んでてびっくり。「臨床心理」「パレートの誤算」「あしたの君へ」「合理的にあり得ない」

作家買い(図書館ユーザーだから正確には買ってないけど)するほど引っかかってなかったけど、書評買いで読んでたのね。本作では文句書いたけど、面白い本書く作家さんではあるのです。

読んだそばから忘れていくから、やっぱり読書感想文って大事と思った日曜の午後でした。